情報処理学会 第73回全国大会
http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/taikai/73kai/index.html
午前中は学生セッション「楽曲・演奏の認識・分析」の座長をつとめました。
情処全大の学生セッションでは、セッション中のすべての発表の中から最も優秀な発表に対し、座長の独断により、その場で「学生奨励賞」を授与することになっています。「該当者なし」という判断も可能なのですが、それも野暮なので、冒頭で「必ず選びます」と宣言した上で(苦笑)、セッションを開始しました。
学生セッションは、良くも悪くも独創的な発表が多く、いろんな意味で楽しめることが多いのですが、今回のセッションも例外ではありませんでした。しかし、内容的にはおもしろい研究が多いものの、論文の必要要素である「新規性」「有効性」「信頼性」がうまく説明できている発表が少なかったように思いました。そして、結果的には、これらの要素をバランスよく説明していた発表(3R-9)を学生奨励賞として選ばせていただきました。
情処全大は査読のない学会なので、上記3要素をハイレベルで満たしている発表は少ないというのが実状ですが、3要素のうち、「新規性」については、既存の研究を引き合いに出しさえすればそこそこ説明できるにも関わらず、そのあたりの情報が欠けている発表が多かったのが残念でした。きちんと既存研究のサーベイをして、自分の研究の位置づけを説明するように心がければ、それだけで発表の印象がだいぶ違ってきます。特に学生のみなさんには、ぜひこのあたりをしっかりと意識して、論文および発表の構成を考えて、発表に臨んでいただきたいと思います。
そして、午後は共著論文の代理発表。共著論文の筆頭著者が事故により学会に急遽参加できなくなり、1週間ほど前に代理発表することが決まったのですが、投稿時にさらっとチェックした2ページの原稿だけではなかなか詳細がつかめず、発表資料作りには思ったよりも苦労しました(苦笑)。ただ、日頃から研究の内容についてはディスカッションをしていたので、代理発表自体は無事にできたと思います。
研究管理職として、どこまで個々のメンバーの研究に踏み込むべきか?というのは、個人的にはなかなか悩ましい問題でして、自分自身も日々悩みながらプロジェクトを運営しています。各研究テーマについて、事細かに指示をしすぎると、担当者自身のひらめきをつぶしてしまったり、やる気をそいでしまうおそれがあるので、個人的にはあまり立ち入らないようにしたいというのが正直な気持ちです(私自身、縛られるのは嫌いなタチなので)。ただ、完全放置プレイだとあまりにも無責任なので、今年度からは週1回・小一時間ずつ程度、個別に進捗確認をしながら行っています。
メンバーは数名いるし、管理をしつつも自分の研究も進めないといけないので、正直、上記のやり方でも時間をかけすぎかなぁ…と、思うこともありました(特に自分の仕事が忙しいとき^^;)。しかし、今回のような突発的な事故にも無難に対応できたことを振り返ると、やはりこれくらいのコミットは管理者としては必要なのだな…と、改めて実感した次第です。