2011年02月09日

論文の書き方講座

少し前の話ですが、ウチの職場の若手研究員向けに、標記のようなエラソーな講義をさせていただきました。

手前味噌ながら、研究の猛者揃いの我社。その中から、なぜワタクシが?…と、若干戸惑いましたが、論文チェック地獄の翌月ということもあり、言いたいことがそれなりにたまっていたので(笑)、喜んで引き受けた次第です。

内容は前回のエントリーで紹介した「松尾ぐみの論文の書き方」や、暦本先生の「よい論文の書き方」などの紹介が中心でした。非常によく書かれている内容なので、短い時間の講座だけでは伝え切れない部分も多々あります。各ページの内容はもちろんのこと、参考文献も含めてよーく読んでおいた上で、自分の過去の論文執筆経験を振り返り、反省するところがあれば反省し、さらにその反省を次の論文執筆時に反映していただくことを期待してます>参加された方々。

で、その講座の質疑の中で、

「ほあほあさん(注:私のこと)は、何のために論文を書いているのですか?」


…という質問をいただきました。

今回の講座では、冒頭にこの質問を投げかけることから始めたので、事前に想定しとくべき質問ではありましたが(苦笑)、その場での回答がわかりにくかったかもしれないので、この場を借りて補足させてください。

極めてシンプルに回答すると、「モテたいから」です。:-)

…と言っても、若い女性に対してという意味ではなく(そもそも工学系の学会にはあまり女性が(略))、発表を聴きに来ているor論文を読んでいるであろう大学の先生や、他の研究者や、学生のみなさんなどに広く自分の研究をアピールして、自分のことを気に入ってほしい…という意味です。

「って当たり前では?」と、思われるかもしれませんが、頭ではわかっていても、多数の〆切に迫られると、その〆切をこなすことだけに注力してしまう人が、かなり多くなっているように感じます。

研究発表の先の「モテ」イメージを意識しているのであれば、なるべく質の高い原稿を書こうと考えます。そして、そう考えるのであれば、自分の原稿を何度も推敲するとか、共著者(会社の場合は上長というケースが多い)に早めにチェックしてもらうとか、周りにヒマそうな人がいたらついでに読んでもらうとか…など、論文のクオリティを高めるための努力を自然に行います。その結果、世の中がひっくり返るほどの研究成果にはなっていないかもしれませんが、少なくともその発表を聴いた・原稿を読んだ人に対し、ポジティブな印象を与えることができ、「モテ」研究員になれます。(←私はこうなるイメージを常に抱いています)

一方、〆切までに論文を出すことが目的化してしまっている場合は、何せゴールが提出なので、上記のような時間も手間もかかるステップを経ることを避けたくなります。具体的には、〆切ギリギリまで原稿を抱えていたり、何度も修正させられたくないから共著者チェックも遅くなったりするなど、とにかくなるべく少ない努力で「ゴール」を達成しようという心理状態になりがちです。

ちなみに、上司の立場からすると、〆切に間に合わず投稿を断念すると怒られるため、そういう状態で論文を渡されたら「仕方ねーな」と思いつつ、原稿の質によっては自分で大校正をかけてでも投稿させざるを得ないのが、偽らざる本音です。(ってそんなことココで書いて良いのか…?>管理職)

そうすることにより、いちおうの目的は達成されるわけですが、結果的に中途半端なクオリティの論文や発表をせざるを得ない形になります。そして、当然、モテません。さらにタチの悪いことに、研究発表の場合は、普通のサラリーマン仕事と違って、よくも悪くもその発表に対する評価が筆頭著者である貴方個人に跳ね返ってきます。つまり、クオリティの低い発表・原稿を出してしまったら、「非モテ」研究員としてのレッテルが貼られてしまうわけです。




…いろいろ書いているうちにわけのわからない内容になってしまいましたが(苦笑)、研究職というのは、なんやかんや言って個人が評価される仕事であることを忘れないでください、ということが言いたかっただけです。そのためのアピールの場が、論文であり、研究発表であることを常に意識していれば、必然的に良い論文が書けるようになると思います。

モテたい研究者諸君、がんばってください!
posted by ほあほあ at 22:46| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(2) | お仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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