2011年02月27日

2011年2月PRMU研究会

…遅くなりましたが、参加してまいりました。プログラムはこちら:

2011年2月 パターン認識・メディア理解研究会
http://ow.ly/44eI1

今回の特別テーマは「映像処理とTRECVID」ということで、国内からTRECVID 2010 に参加した方々が勢揃い。それぞれTRECVIDで取り組んだ内容や結果についての発表が行われ、さながら国内向けTRECVID参加報告会と化しており、かなり充実した内容でした。

私自身がTRECVIDに最初に参加した2003年の頃は、国内からはウチの会社とNIIしか参加組織がおらず、若干さみしい思いもありましたが、今回の研究会では、TRECVID自体の規模が拡張しているにも関わらず、ほぼすべてのTrackについてそれぞれ別の研究者からの充実したレポートがありました。隔世の感がありますね…笑

ただ、各発表者の内容を聞く限りでは、TRECVIDから与えられる大規模な学習データを入力とし、計算機をゴリゴリ回して識別器みたいなのを大量に構築し、その結果を元にタスクを解決するというアプローチが圧倒的に多く、その点だけは当初からあんまり変わっていないような気もしたりしました。

そして、TRECVID基準における高精度な検索結果と、一般ユーザが期待する映像検索システムの結果との間には、まだまだ乖離があるように思えます。具体的にいうと、前者を狙うのであれば、near duplicate 的な結果を得ることが極めて効果的なのですが、おんなじような結果しか出してこない検索システムってあんまり実用性がないよね?という話。

そういう意味で言うと、やはり今後の映像情報検索技術の発展のためには、下手に結果を狙わず、新しいアプローチを持った組織がかき回す必要があるんじゃないかなぁと思います。今回の研究会(←末端ながらいちおう私も企画担当させてもらっていました)をきっかけとして、日本国内からも勇気を持って参加してくれる組織がどんどん増えてくれれば嬉しいです。

(参考情報1)
本研究会中のツイートを @_akisato さんがトゥギャってくれています:

Togetterより:
PRMU研究会(テーマ:映像処理とTRECVID) 初日 2011.2.17
PRMU研究会(テーマ:映像処理とTRECVID) 2日目 2011.2.18

振り返ってみると、めっちゃツイートしてるなぁ(^_^;)>自分。

(参考情報2)
初日の特別講演「大規模一般画像認識と画像表現」(残念ながら私は聴講できず…泣)のスライドを、講演者である東大・原田先生が公開しています。(PDFへのリンク
posted by ほあほあ at 23:20| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月16日

SIGMUS89@九大

…に、参加してまいりました。プログラムはこちら:

第89回音楽情報科学研究会・プログラム
http://www.sigmus.jp//SIG/sig201102program.html

今回は、音楽音響研究会(MA研)との共催であり、かつ卒修論シーズンということもあり?、大量29件もの発表申込がありました。その分、各発表の時間が通常よりも短くなってしまいましたが、音響から創作系までバラエティ豊富な内容で、楽しく聴講させていただきました。

特に、初日の特別企画「ライブ&トーク」は、事前の期待を超えておもしろかったです。毎年12月は、研究会と一緒にインターカレッジコンサートも開催されており、そちらはそちらで楽しいのですが、玄人色満載で、芸術シロウトな工学系研究者としては高尚すぎる内容でもあります(苦笑)。

今回の企画での「ライブ」の部分自体はインカレと似ているのですが、その後の「トーク」が制作者からのコンセプト説明だけでなく、パネリストの先生方とのフリートークという形式(複数の先生に制作者の学生が囲まれるという図w)をとったことにより、なごやかな雰囲気の中、制作時の苦労や思わぬこぼれ話も聞くことができ、シロウトでも興味深く楽しめました。芸術工学科のキャンパスという、場所や人(ライブの演出にこなれた学生さん)にも恵まれた結果だと思いますが、またいつか開催してもらいたいと思える良企画でした。

そして、今回は私が共著で入っているインターン生による発表もありました。事前にさんざん練習しており、本番も大丈夫だろうとわかっていても、実際に聴いているとなぜだか緊張してしまいます(苦笑)。発表は立派にこなし、事後に多くの方からコメントもいただいたようなので、結果的には成功だったと思います。おつかれさまでした!

一方、自分の研究テーマとの関連が深い検索のセッションについては、突っ込み方が甘い発表が多かったように思えます。このエラソーなツイートにも関連しますが、世界での情報検索関連の研究(音楽だけでなく、画像や映像、もちろんテキストも含む)は、Webで集めた大規模データを活用した方式が主流になっています。国内研究会での発表実績を積むことがゴールであれば別に構いませんが、論文を大々的に発表したいのであれば、Web情報の活用は避けられません。その意識を持って、既存研究やWeb公開データについて、しっかり調査することを、同分野の研究者にはオススメします。拙筆ながら、下記の解説記事も多少は参考になるかと:

帆足:マルチメディア検索の最先端(5)音楽情報の検索,
映像情報メディア学会誌,64(5),pp.701-707,2010年5月.
CiNiiのリンク


ともあれ、これで2010年度のSIGMUS研究会はすべて終了。2011年度からは主査が平#先生に代わり、今年で運営委員の任期満了予定だった私も、幹事として引き続き運営に携わる予定です。これまで以上にSIGMUSが盛り上がるよう、微力ながらサポートしていければと考えていますので、引き続きよろしくお願いいたします!
posted by ほあほあ at 22:07| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月09日

論文の書き方講座

少し前の話ですが、ウチの職場の若手研究員向けに、標記のようなエラソーな講義をさせていただきました。

手前味噌ながら、研究の猛者揃いの我社。その中から、なぜワタクシが?…と、若干戸惑いましたが、論文チェック地獄の翌月ということもあり、言いたいことがそれなりにたまっていたので(笑)、喜んで引き受けた次第です。

内容は前回のエントリーで紹介した「松尾ぐみの論文の書き方」や、暦本先生の「よい論文の書き方」などの紹介が中心でした。非常によく書かれている内容なので、短い時間の講座だけでは伝え切れない部分も多々あります。各ページの内容はもちろんのこと、参考文献も含めてよーく読んでおいた上で、自分の過去の論文執筆経験を振り返り、反省するところがあれば反省し、さらにその反省を次の論文執筆時に反映していただくことを期待してます>参加された方々。

で、その講座の質疑の中で、

「ほあほあさん(注:私のこと)は、何のために論文を書いているのですか?」


…という質問をいただきました。

今回の講座では、冒頭にこの質問を投げかけることから始めたので、事前に想定しとくべき質問ではありましたが(苦笑)、その場での回答がわかりにくかったかもしれないので、この場を借りて補足させてください。

極めてシンプルに回答すると、「モテたいから」です。:-)

…と言っても、若い女性に対してという意味ではなく(そもそも工学系の学会にはあまり女性が(略))、発表を聴きに来ているor論文を読んでいるであろう大学の先生や、他の研究者や、学生のみなさんなどに広く自分の研究をアピールして、自分のことを気に入ってほしい…という意味です。

「って当たり前では?」と、思われるかもしれませんが、頭ではわかっていても、多数の〆切に迫られると、その〆切をこなすことだけに注力してしまう人が、かなり多くなっているように感じます。

研究発表の先の「モテ」イメージを意識しているのであれば、なるべく質の高い原稿を書こうと考えます。そして、そう考えるのであれば、自分の原稿を何度も推敲するとか、共著者(会社の場合は上長というケースが多い)に早めにチェックしてもらうとか、周りにヒマそうな人がいたらついでに読んでもらうとか…など、論文のクオリティを高めるための努力を自然に行います。その結果、世の中がひっくり返るほどの研究成果にはなっていないかもしれませんが、少なくともその発表を聴いた・原稿を読んだ人に対し、ポジティブな印象を与えることができ、「モテ」研究員になれます。(←私はこうなるイメージを常に抱いています)

一方、〆切までに論文を出すことが目的化してしまっている場合は、何せゴールが提出なので、上記のような時間も手間もかかるステップを経ることを避けたくなります。具体的には、〆切ギリギリまで原稿を抱えていたり、何度も修正させられたくないから共著者チェックも遅くなったりするなど、とにかくなるべく少ない努力で「ゴール」を達成しようという心理状態になりがちです。

ちなみに、上司の立場からすると、〆切に間に合わず投稿を断念すると怒られるため、そういう状態で論文を渡されたら「仕方ねーな」と思いつつ、原稿の質によっては自分で大校正をかけてでも投稿させざるを得ないのが、偽らざる本音です。(ってそんなことココで書いて良いのか…?>管理職)

そうすることにより、いちおうの目的は達成されるわけですが、結果的に中途半端なクオリティの論文や発表をせざるを得ない形になります。そして、当然、モテません。さらにタチの悪いことに、研究発表の場合は、普通のサラリーマン仕事と違って、よくも悪くもその発表に対する評価が筆頭著者である貴方個人に跳ね返ってきます。つまり、クオリティの低い発表・原稿を出してしまったら、「非モテ」研究員としてのレッテルが貼られてしまうわけです。




…いろいろ書いているうちにわけのわからない内容になってしまいましたが(苦笑)、研究職というのは、なんやかんや言って個人が評価される仕事であることを忘れないでください、ということが言いたかっただけです。そのためのアピールの場が、論文であり、研究発表であることを常に意識していれば、必然的に良い論文が書けるようになると思います。

モテたい研究者諸君、がんばってください!
posted by ほあほあ at 22:46| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(2) | お仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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